株式市場とは、「株を買いたい人」と「株を売りたい人」が集まって形成される市場のことです。
実際の株式の売買取引は、一般的には証券会社を介して行なわれます。
株式市場は、機能面から「発行市場」と「流通市場」に大別されます。
発行市場(一次市場・プライマリーマーケット)
発行市場とは、企業などが新たに発行する株式や債券(証券)を、投資家が購入する市場のことです。
企業などは、証券を新たに発行することで、資金を調達することができますので、「資本調達市場」とも呼ばれます。
発行市場で新規に証券を発行する場合、証券の価格は、流通市場の価格が基準となります。
そのため、発行市場と流通市場は密接に関連し合い、市場を形成しているのです。
いったん投資家が取得した証券は、その後、流通市場で自由に売買されます。
流通市場(二次市場・セカンダリーマーケット)
流通市場とは、すでに発行されている株式や債券など(証券)が投資家間で売買される市場のことです。
証券は、投資家と投資家との間でその時々の価格(=時価)で売買されます。
通常、個人投資家の株式投資は、流通市場での売買によって行われます。
証券取引所とは?
株式の取引は主に各地の証券取引所で行われています(取引所取引)。
取引所取引に参加できるのは、会員となっている証券会社だけですので、個人投資家は証券会社に注文を出して、取引所に注文をつないでもらいます。
日本の証券取引所
日本国内の証券取引所は、東京、名古屋、福岡、札幌の4ヵ所にあります。
証券取引所で株式の売買ができるようになることを「上場」と呼びます
企業によっては、複数の市場に同時に上場している場合もあります。
東京証券取引所(東証)
東京・日本橋兜町にある、日本最大の証券取引所であり、ニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所と並んで、世界3大証券取引所の一つとされています。
国内では圧倒的な取引量を誇り、上場企業数は約3,600社(2017年12月現在)に上ります。
東証には、大企業を中心とした「第一部(東証一部)」、中堅企業を中心とした「第二部(東証二部)」、新興企業を中心とした「マザーズ」、「JASDAQ(ジャスダック)」、プロ向けの「TOKYO PRO Market」という市場があり、株主数・流通株式・上場時価総額・事業継続年数などの上場基準によって分かれています。
名古屋証券取引所(名証)
東海地区を地盤とする、地元の有力企業が株式を上場しています。
名証には、「名証一部」、「名証二部」、「セントレックス」という市場があり、東証と同じく上場基準によって分かれています。
かつては、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所の3つを「3大証券取引所」と呼んでいました。
福岡証券取引所(福証)
九州の地元企業が中心となって上場している証券取引所です。
新興市場にはQ-Boardがあります。
札幌証券取引所(札証)
地元北海道の企業が中心となって上場している証券取引所です。
新興市場にはアンビシャス市場があり、ライザップで有名な「健康コーポレーション」が上場しています。
大阪取引所
かつて大阪に存在した「大阪証券取引所」は2013年7月16日をもって、現物の株式取引市場を東京証券取引所に統合しました。
その後、大阪取引所に名称変更し、デリバティブ(先物やオプション)に特化した取引所となっています。
大阪取引所では、ナイトセッションと呼ばれる夜間取引が行われています。
東証一部上場は企業にとってステータス
東証一部は、大企業が上場することで知られています。
東証に新規上場したい企業は、まず東証二部に上場を申請するのが一般的です。
上場申請には、株主数や流通株式数、時価総額、純資産、利益、設立年数など、ある一定の基準を満たす必要があります。
そして、証券取引所の審査を受け、「上場が適当」と認められると、東証二部に上場することができます。
東証二部に上場した後、さらに厳しい基準を満たせば、東証一部へ指定替え(上場市場の変更)され、ここでようやく「東証一部上場」が可能となるのです。
このように、東証一部上場の審査基準は非常に厳しく、上場できるのは一握りの大企業のみです。
晴れて東証一部に上場すると、新聞の株価欄に、会社名と一緒に株価が掲載されるようになるなど、企業の認知度、信頼度が大きく上がり、「東証一部上場企業」というブランドを手にすることができます。
その結果、株式を購入してくれる投資家が増えて、資金調達力がアップしたり、優秀な人材が集まりやすくなるなどのメリットがあるため、多くの企業が東証一部上場を目指すのです。