銀行預金の種類と特徴





銀行預金は、元本が保証されている商品です(外貨預金も外貨建てでは元本保証がありますが、為替差損により円建てでは元本割れすることもあります)。

流動性預金

流動性預金とは、期間の定めがなく、出し入れが自由な預金商品のことです。

普通預金

銀行の窓口やATMで、自由に預け入れや払い戻しができる、利便性の高い預金商品です。

銀行で取引を行う際の基本口座となります。

公共料金や家賃などの自動引落しや、給与や年金などの自動受取り口座として指定することができます。

当座預金

「無利息・要求払い(随時払い戻しができること)・決済サービス(口座振替等)を提供できること」という3要件を満たす預金を決済用預金といいます。

当座預金は、決済用預金の一種で、支払われた手形や小切手の決済に使われる預金です。

利息が付きませんが、銀行が破綻しても、預金保険制度によって全額保護されます。

普通預金と同様に、自動引落しや、自動受取りの口座として指定することができます。

無利息型普通預金・決済用普通預金

一般の普通預金とは違い、利息は付きませんが、決済用預金であるため、預金保険制度により全額保護されます。

普通預金と同様に、自動引落しや、自動受取りの口座として指定することができます。

通知預金

資金を短期間預ける場合に、普通預金よりも高い金利で運用することができる預金商品のことです。

まとまった資金が手元にあって、近い将来その資金を使うことが決まっているが、その時期まで資金を運用したいときに使われることが多いです。

通常、預入後最低7日間は据置く必要があり、引出す際には少なくとも2日前に銀行に通知(連絡)をするという決まりがあります。

各金融機関ごとに預入最低金額が決まっており、利用するのはほぼ法人に限られます。

貯蓄預金

貯蓄を目的とした口座で、残高が定められた金額(基準残高)以上あると、普通預金より金利が高くなるという預金商品です。

貯蓄預金は、1992年に販売が始まった、比較的新しい預金商品です。

資金の出し入れは自由ですが、自動引落し、自動受取り口座として指定することはできません。

普通預金よりも有利な金利で、定期預金よりも自由に使えるという預金商品です。

納税準備預金

国税または地方税(租税)の納付に充てる資金を預け入れることができる預金商品です。

一般に、普通預金より高い金利が設定されており、納税の目的であれば受け取った利息は非課税となります。

ただし、入金は自由にできますが、引出しは原則として「租税の納付」に限られます。

引出しの際は、納税のためと確認できるように納付書・納税告知書などの書類の提出が必要となります。

また、税金の自動振替口座に指定することもできます。

定期性預金

定期性預金とは、預入期間の定めがある預金商品のことで、引出しは原則として期間満了の日(満期日)に限られます。

自由に引出しができない分、金利が高いというメリットがあります。

スーパー定期預金

スーパー定期預金とは、一般的な定期預金のことを言います。

原則、資金は満期日まで引出しができず、流動性が制限される一方、普通預金と比べて金利は高くなっています。

預入期間は1カ月から最長10年まで、目的や予定に合わせて選択が可能です。

一般に、預金額が300万円未満の場合は「スーパー定期」、預金額が300万円以上の場合は、「スーパー定期300」と呼ばれることが多いです。

大口定期預金

大口定期預金は、1000万円から預入れ可能な定期預金で、まとまった資金を期間を決めて有利に運用できる預金商品です。

大口定期預金は銀行との交渉によって金利が決まるため、交渉次第では、一般的なスーパー定期の金利よりも優遇される場合もあります。

積立定期預金

積立定期預金は、毎月決まった日に決まった金額が、自動的に普通預金から定期預金に預け入れられるという預金商品です。

ボーナスなどで余裕が出たときは、毎月の積み立てに追加して入金することも可能です。

変動金利定期預金

スーパー定期や大口定期は、預け入れた時の金利が満期時まで適用されます。

一方、変動金利定期預金は、一定期間ごとに適用金利が見直される定期預金です。

金利上昇時には利息が高くなり、より有利に資産を運用することができます。

譲渡性預金(NCD)

第三者へ預金を譲渡することができる定期預金です。

「Negotiable Certificate of Deposit」の頭文字を取って、「NCD」と呼ばれることもあります。

満期日が決まっており、原則中途解約ができない点は他の定期預金と同じですが、譲渡性預金は預金保険制度の対象とはなりません(全額保護されない)。

一般の定期預金を、どうしてもお金が必要になって中途解約した場合、当初提示されていた利率より低い「中途解約利率」というものが適用され、受け取れる利息はかなり低いものになってしまいます。

これでは、せっかく高い利率が魅力で定期預金に預けていたのに、意味がなくなってしまいます。

一方、譲渡性預金の場合は、預金をそのまま第三者に譲渡する(売る)ことができるので、中途解約せずに資金を捻出することができます。

ただし、譲渡性預金の預け入れ最低額は5000万円以上と高額な場合がほとんどなので、利用するのは金融機関や大企業などの大口先に限られます。

仕組預金

仕組預金とは、オプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ預金商品のことで、銀行に有利な特約を付ける代わりに、一般の定期預金より高い金利が設定されています。

最近、ネット銀行などで人気の商品です。

仕組預金は、預金者側から解約をすることはできません。

一般の定期預金であれば、「中途解約不可」といっても実際にはできますし、低い利率が適用されるだけで、元本割れすることもありません。

一方、仕組預金は中途解約をすることで、元本割れをすることがあります。

「預金」と名前が付いていますが、元本割れのリスクがあるということを頭に入れておきましょう。

仕組預金の商品にはいろいろありますが、預金商品としての性質は、かなり複雑なものも多いので、商品性を理解せずに、高い利率だけで選ぶのは危険です。

どの預金商品にも言えることですが、必ず商品性をしっかりと理解した上で購入を決めましょう。

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2018年1月19日