世界の証券取引所





アメリカ

世界最大の金融マーケットであるアメリカ市場の株価動向は、世界の株式市場に非常に大きな影響を与え、世界の金融市場をリードしています。

アメリカの代表的な証券取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)の時価総額を合わせると、約29兆2,163億ドル(2017年5月末現在)、国際取引所連盟加盟国におけるアメリカの市場シェアは約38%と、東京証券取引所の約7%とは比較にならないほど圧倒的です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)

ニューヨーク証券取引所は、NYSE(ナイス)やビッグボードと呼ばれ、時価総額で世界最大の取引所です。

最も上場審査が厳しいことで知られ、アメリカおよび世界を代表する、グローバルな一流企業が集まります。

例えば、ジョンソンエンドジョンソン、ウォールマート・ストアズ、P&G、コカコーラ、ウォルト・ディズニー、ナイキなど、日本人にも馴染み深い企業が上場しています。

ナスダック(NASDAQ)

NASDAQの正式名称はNational Association of Securities Dealers Automated Quotationsと言います。

ナスダックは、世界最大の新興企業(ベンチャー)向けの市場で、ハイテク銘柄を中心に上場しています。

日本でも知名度の高いアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグルの親会社)、フェイスブックなど、そうそうたるIT企業が上場銘柄に名を連ね、アメリカの株式市場をけん引しています。

特に、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)、ネットフリックス(Netflix)、旧グーグル(現アルファベット:Google)の頭文字を取った「FANG」という造語が生まれ、「大型ハイテク銘柄群」の愛称として使われました。FANGには牙という意味もあります。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)

シカゴにある世界最大のデリバティブ(金融派生商品)取引所で、先物取引の世界的な発展の基礎を築いたと言われています。

先物・オプションの国際的市場として24時間稼動し、金利・株価指数・外国為替・エネルギー・農産物・金属など幅広い分野において、デリバティブ市場を提供しています。

2017年12月には、仮想通貨「ビットコイン先物」の取引を開始し、話題となりました。

主な指数

NYダウ 工業株30種

アメリカを代表する優良30銘柄を選出し、指数化したものです。

「ダウ平均」や「ニューヨークダウ」と略され、ニュースなどでも耳にする事の多い、アメリカの代表的な株価指数です。

30社は時代に合わせて入れ替えられており、日本でいう「日経平均株価(日経225)」に近いイメージです。

世界的なビジネス紙、ウォールストリート・ジャーナルの発行元であるダウ・ジョーンズ社と、スタンダード&プアーズの合併会社であるS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズ社が算出・公表しています。

S&P500種

スタンダード&プアーズ ファイナンシャル サービシーズ エル エル シーが開発した株式インデックスのことで、主要上場市場がアメリカの取引所の企業で、流動性がある大型株から選ばれた代表的な500銘柄の「時価総額」を基に算出される株価指数です。

ナスダック総合指数

ナスダックの全上場銘柄の時価総額を加重平均して算出される指数のことで、1971年2月5日の株価を基準値100としています。

イギリス

ロンドン証券取引所(LSE)

ロンドン市のシティにある欧州最大の証券取引所で、1801年設立と古い伝統と歴史を誇ります。

世界的規模での取引所の再編が進む中、2006年にはイタリア証券取引所を買収しています。

大企業が上場する「メイン市場」と、新興企業が上場する「AIM市場」の2つがあります。

イギリス国内はもとより、イギリス国外からも優良企業が数多く上場しており、主な企業は、HSBCホールディングス、BP、ボーダフォン、ロイヤルダッチシェル、グラクソスミスクライン、ブリティッシュアメリカンタバコ(「KENT」などを製造するメーカー)、ロールスロイス、リプトン、ラックス、ユニリーバなどがあります。

主な指数

FTSE 100

「FT100指数」や「FTSE100種総合株価指数(FTSE100指数)」とも呼ばれ、ロンドン取引所に上場する、時価総額上位100銘柄で構成される株価指数をいいます。

1983年12月31日の価格を基準値1,000として、時価総額を加重平均して算出されます

欧州圏

ユーロネクスト

フランスのパリ、オランダのアムステルダム、ベルギーのブリュッセル、ポルトガルのリスボンにある証券取引所の総称で、欧州の巨大な取引所連合です。

それぞれの国にある証券取引所を、「ユーロネクスト・パリ」、「ユーロネクスト・ブリュッセル」、「ユーロネクスト・リスボン」と呼びます。

主な指数

CAC40種指数

フランスの代表的な株価指数で、ユーロネクスト・パリに上場している銘柄の中から、時価総額や出来高の大きい40銘柄で構成された株価指数のことです。

時価総額加重平均型の指数で、1987年12月31日を基準値(1000)としています。

エールフランス、アクサ、BNPパリバ、カルフール、ダノン、ロレアル、ミシュランなどが構成銘柄となっています。

ドイツ

フランクフルト証券取引所

世界でも有数の取引高を誇る、ドイツ国内最大の証券取引所です。

フォルクスワーゲン、シーメンス、バイエル、 ダイムラー、BMW、SAPなどが上場しています。

そのほかにもドイツ国内には、ハンブルク、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ハノファー、シュトゥットガルト、ベルリンの各都市にも証券取引所があります。

主な指数

DAX指数

フランクフルト証券取引所の上場銘柄の内、ドイツ企業の優良30銘柄で構成された、ドイツの代表的な株価指数です。

中国

中国の株式市場は、「本土市場」と「香港市場」の二本立てです。

ただし、狭義の中国株市場とも言われる本土(上海証券取引所と深セン証券取引所)に上場する銘柄は、中国当局の意向により、株式取引の外国人規制が設けられているため、外国人(日本人を含む)にとって必ずしも一般的な投資対象とは言えません。

海外投資家による中国株の売買は、香港証券取引所に上場する銘柄が主体です。

上海証券取引所

中国最大の規模を誇る証券取引所で、上証所、SSEとも言われます。

1つの上場企業に「A株」と「B株」の2種類の株式があるのが特徴で、A株は人民元で決済され、B株は米ドルで決済されます。

A株の売買は原則として中国籍の法人・個人に限定され、外国人の投資が可能なのはB株に限定されます。

主な上場企業は、中国銀行、中国国際航空(エアチャイナ)、春秋航空、青島ビールなどあります。

深セン証券取引所

中国の広東省深セン市にある証券取引所で、略して深交所と言われます。

上海証券取引所と同じく、1つの上場会社にA株とB株が存在し、A株は人民元で決済され、B株は香港ドルで決済されます。

主な指数

上海総合指数

上海証券取引所に上場するすべての株(A株・B株)の、時価総額加重平均型株価指数で、1990年12月19日を基準日とし、その日の時価総額を100として算出されます。

上海50指数

「上証50指数」とも呼ばれ、上海証券取引所に上場するA株のうち、規模と流動性の高い上位50銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数です。

上海株式市場で最も影響力のある、大手優良企業株の動向を反映する指標と言われています。

香港証券取引所(HKEx)

アジア地域を代表する証券取引所の一つで、港交所とも言われます。

大型優良株が多い「主板(メインボード)」と、新興企業向けの「創業板(GEM)」の2つの市場が併存します。

中国工商銀行、テンセント、HSBC、レノボ、キャセイパシフィック航空、スタークルーズなどの企業が上場しています。

主な指数

香港ハンセン株価指数

香港証券取引所に上場する主要50銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数です。

現在、香港株式市場の時価総額の約7割を占めるとさており、香港株式市場の相場動向を表す代表的な株式指標です。

ハンセン中国企業株指数(H株価指数)

H株とは、香港証券取引所のメインボードに上場している中国企業のうち、中国本土で登記している企業の株式のことです。

ハンセン中国企業株指数(H株価指数)とは、H株の中で時価総額、流動性の高い優良株の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。

ハンセン中国レッドチップ指数

レッドチップとは、香港証券取引所に上場している企業の中で、香港など中国本土以外に登記をしている企業のことです。

ハンセン中国レッドチップ指数とは、レッドチップから選ばれた一部銘柄で構成される株価指数です。