ATM手数料が引き上げに!無駄な手数料を払わなくてよくなる方法





マイナス金利政策により収益の悪化した一部の銀行では、提携ATMの出金手数料について無料になる回数を減らしたり、有料化するという動きが出ています。

銀行預金ではほぼ金利が付かないのに、手数料を取られてしまっては実質的に元本割れしてしまうのと同じです。

そこで、無駄な手数料を払わなくてよくなる方法について考えたいと思います。

各銀行の動き

日経新聞の記事によると、日本のATM維持コストは年間2兆円にも上るそうです。

ATMがビルや施設の一区画を使って運用されている場合には、その運用には家賃などのほか、現金をATMに輸送するコストなどもかかってきます。

ATM手数料の見直しで今後銀行が得られる手数料収入は決して大きくはないかと思いますが、収益悪化でなりふり構わず取れるところから取ろうという案なのかもしれません。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は2018年3月に、スーパー定期預金(メインバンクプラス)の商品改定を行いました。

改定内容は、預金残高などが30万円以上の「シルバーステージ」の優遇として提携コンビニATM利用手数料が3回まで無料だったのが2回に減りました。

三井住友銀行

三井住友銀行は2016年10月に、それまでは利用口座の預金残高が10万円以上あれば手数料が掛からなかった、平日時間外に本支店のATMで出金した際に発生する手数料を一律108円としました。

新生銀行

新生銀行はこれまで24時間何度でも無料で提携ATMを利用でき、他行への振込が月1回まで無料でしたが、2018年10月7日から提携ATMで現金を引き出す際の手数料を「ステップアッププログラム」のステージに応じた手数料に改定します。

ステップアッププログラムとは、取引状況や残高に応じて3段階に分かれる優遇制度で、円預金残高が100万円未満などの「スタンダード」の預金客は出金手数料が一律108円となります。

新生銀行は自前のATMがなく、出金できるのは提携ATMのみで、優遇制度の条件を考えると影響は大きそうです。

ソニー銀行

同じく自前のATMを持たないインターネット銀行のソニー銀行も、これまで上限なしだったセブン・イオン両銀行ATMの利用手数料を2019年1月に改定し、無料引き出し回数を制限します。

現在はセブン銀行とイオン銀行のATMについては、すべての預金客が何度でも無料で引き出しできますが、改定後は他の提携ATMと同様、預金残高などのステージに応じて無料で利用できる回数が決まります。

無料利用回数は月4回、7回、15回、無制限の4段階となり、ステージによっては無料で利用できる回数が減る場合もあります。

地方銀行

地方銀行にもATM手数料引き上げの動きが広がっています。

東北銀行や北洋銀行は、従来は無料で使えた土曜の昼間の時間帯の自行ATMでの引き出しを108円としました。

対応策

では、ATM利用手数料の負担を減らすにはどのような対策を取ればいいのか考えてみます。

不要不急のATM利用を避ける

一番手っ取り早くできる対策は、ATMの利用は無料時間帯に、計画的に引き出すことです。

最近は駅やコンビニの中などにATMが設置されており、便利だからと手数料のことを考えずに利用してしまっては、チリも積もれば結構な額の手数料を支払うことになってしまいます。

取引銀行を集約させる

取引する銀行を集約して、ATM利用手数料の優遇を受けられる条件を満たすことも有効です。

優遇制度を設ける銀行では、円預金などの残高に応じてステージが決まり、ステージのランクによってATMを無料で使える回数が決まるのが一般的です。

特別な理由がなく複数の銀行に預金を分散して預けているなら、1つに集約してステージをランクアップさせるというのも手です。

キャッシュレス決済を増やす

電子マネーやデビットカードなど、キャッシュレス決済を増やして現金を使う機会を減らし、ATMの利用頻度を下げるのも一案です。

ただし、デビットカードのうちVISAやJCBの加盟店で利用できる「ブランドデビット」の中には年会費が必要なものもあります。

また、電子マネーもチャージに手数料がかかることがあるので、利用前に確認しましょう。