乳がんは女性がかかるがんの中で最も多く、日本女性の12人に1人がかかると言われています。
食生活やライフスタイルの変化により、乳がんの罹患率は急激な増加傾向にあるそうです。
乳がんの発症は30代から増え始め、40代後半と60代前半が最も多くなると言われています。
小林麻央さんが乳がんと闘病の末、34歳という若さで急逝したニュースも記憶に新しいところです。
誰にとっても他人事ではありません。
ただ、検診が大切なのはわかっていますが、「乳がん検診は痛い!」という噂もあり、検診を受けるのをためらっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、私が実際に乳がん検診を受けた時の様子について書いてみたいと思います。
「乳がん検診って何をするの?」
「マンモグラフィって痛いんでしょ?」
と不安に思っている方の参考になれば幸いです。
目次
乳がんは早期発見が大切
乳がんは乳腺に発生する悪性腫瘍です。
放置すると、がん細胞が増殖して乳腺の外へも広がっていき、やがて、血管やリンパ管へ入って全身をめぐり、乳腺以外のさまざまな組織や臓器へ転移します。
一方で、乳がんは早期に発見し適切な治療を受ければ90%以上は治ると言われています。
実は、私の母も乳がんを患いました。
幸い「0期」という早期発見であったため、乳房の部分摘出手術をして、今は普段通りの生活を送っています。
乳がんは、少しでも早く発見して治療を行うことがとても重要です。
そのためには、「まだ若いから」と安心せずに、乳がん検診とセルフチェックを行うのがとても有効です。
乳がん検診の種類
視触診検査
視触診検査とは、医師が目見て、手で触って、乳房の変形、陥没、しこり、分泌物、リンパ節の腫れがないかをチェックするものです。
視触診だけでは、早期のがんを発見することは難しいため、超音波とマンモグラフィを併用して検査を行います。
超音波(エコー)検査
超音波を発する器具を乳房に当てて、その反射波(エコー)を画像化して、乳房内部の様子を映し出し、診断を行うものです。
乳腺密度の濃い若い女性にも向いており、マンモグラフィだけでは正確な診断がしにくい、乳腺の中に埋もれたしこりを検出することができます。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査は、透明なプラスチック板で乳房を片方ずつ挟み、乳腺組織を薄く引き伸ばし、X線撮影した画像で診断を行う方法です。
マンモグラフィ検査では、セルフチェックではわかりにくい小さなしこりや、乳がんの初期症状である微細な石灰化を映し出すことができます。
エコー検査とマンモグラフィのどちらを受けたらいいの?
20代、30代は乳腺が発達しているため、マンモグラフィではがんが乳腺に隠れてしまい、病変が映し出されないこともあるため、30代より前の女性には超音波検査が有効だと言われています。
ただし、下記の1つでも当てはまる場合は乳がんになりやすと言われていますので、エコー検査とマンモグラフィの両方を受けることがおすすめされています。
母親や姉妹に乳がんにかかった人がいる
初潮が早い、または閉経が遅い
妊娠・出産経験がない
たばこ・アルコール摂取が多い
どちらの検査が適しているか、または併用すべきなのかは個人差がありますので、医師と相談して決めましょう。
実際に検査を受けてみて
今回私は、女性医師が検査を行い、スタッフも全員女性という病院を選びました。
誰でも人前で裸になるというのは、少し抵抗があると思います。
特に初めての検診は緊張もあるので、女性医師だとリラックスして受けられると思います。
乳がん検診を行っている病院は、女性医師が検査を行うというところも多いですので、近くにそのような病院がないか探してみるといいと思います。
問診
問診票に、生理周期、初潮時期、妊娠・出産経験の有無、病歴、家族の病歴、自覚症状などを記入します。
視触診検査
検査室に案内され、上の服と下着を脱ぎ、両腕をバンザイした格好でベッドに仰向けに寝ます。
先生が検査室に入り、乳房全体や脇の下を手で触わったり、押さえたりしながら異常がないか診断します。
女性の先生だったので、乳房を触られても恥ずかしくなく、あっという間に終わりました。
エコー検査
まずは、左腕だけバンザイした格好で、左の乳房全体にジェルを塗布されます。
このジェルが冷たくて少しヒヤッとしましたが、すぐに慣れますし、痛みはまったくありませんでした。
エコーの映像は、ベッドの横のモニターに映し出され、先生がモニターを見ながら異常がないか診断をします。
自覚症状のある左の脇の下を、特に入念にチェックしてくれました。
続いて、右側も同じように診断を行います。
一通り検査を終え、先生の「異常はありません。」という言葉にホッと胸を撫で下ろしました。
マンモグラフィの痛みは?
エコーの次は、マンモグラフィ撮影室に案内されました。
ここでも、レントゲン技師の方は女性なので安心しました。
左胸、右胸それぞれ上下、斜め方向から撮影をするので、合計4回乳房を器械に挟まれることになります。
レントゲン技師の方が、慣れた手つきで乳房を板で挟んで圧迫していきます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、私は強い痛みを感じることはなく、平気でした。
まったく痛くないと言うと嘘になりますが、例えるなら、腕の脂肪をぎゅーっとつまんだ位の感じです。
ある程度覚悟していたので、「こんなものか」という感じでした。
マンモグラフィを受けるタイミング
排卵日から生理が始まる前までは、乳房が硬く張っているため、痛みを感じやすくなります。
マンモグラフィは、生理開始後から1週間経った頃、乳房が柔らかくなっている頃に受けることをおすすめします。
診断結果
最後に診察室に案内され、先生と一緒にマンモグラフィで撮影した画像を見ながら、診断結果を伝えられました。
今回の検査では、異常は見つかりませんでした。
看護師の方から、乳がんのセルフチェックの方法について教えてもらい、終了しました。
乳がん検診の費用は?
乳がん検診にかかる費用は、個人的に受けたのか、会社負担で受けたのか、自治体の検診で受けたのか、また、受ける病院によっても様々です。
費用の相場は、マンモグラフィ検査4~8千円、エコー検査3~6千円程度となっています。
40歳以上の女性であれば、自治体が行う乳がん検診を2年に1回受けられますので、負担としては0~3千円前後となります。
40歳未満の女性は全額自己負担が基本ですが、自治体によっては、40代の方だけでなく30代の女性でも、エコー検査による乳がん検診が受けられるところもあります。
費用は自治体や年齢によって自己負担金が異なりますが、無料~3,000円程度となっています。
また、自覚症状がない状態で乳がん検査を個人で受ける場合は保険適応外ですが、何らかの自覚症状がある場合は保険診療の範囲内(3割負担)となります。
私の場合は、左脇の痛みという自覚症状があって受けに行ったので保険適用となり、初診料などと含めて費用は約5千円でした。
乳がんのセルフチェック
セルフチェックは普段からこまめに行うことで、異変に気づきやすく、早期発見にもつながります。
こちらのサイトでは、セルフチェックの方法をわかりやすい動画で紹介されていますので、参考にしてみてください。
まとめ
実際に乳がん検診を受けてみて、「思ったよりも怖くなかったし、受けてよかった。」というのが感想です。
そして、異常が見つからなかったので安心することができました。
女性のカラダとココロの健康情報サイト『ルナルナ』を運営する株式会社エムティーアイが、2016年8月に10代~50代の『ルナルナ』会員に行った、「乳がんと検診について」の調査があります。
調査結果によると、乳がん検診の未受診の理由について「面倒・忙しい」「痛そう」「費用への不安」が上位を占めています。
そんな方にとって、この記事が参考になれば嬉しいです。
日本女性の乳がん罹患率・死亡率がともに増え続けているのは、日本の乳がん検診率の低さだと指摘されています。
「自覚症状がないからいつか受けよう」ではなく、ぜひ一度検診を受けてみることをおすすめします。