債券や、債券を主な投資対象とする投資信託(債券ファンド)は、金利動向の影響を色濃く受ける商品です。
投資をする際には、金利についての基礎知識も押さえておきましょう。
利息、利子の違い
一般的に、お金を借りたときに支払うものを「利子」、お金を貸したときに受け取るものを「利息」と言うことが多いです。
例えば、住宅ローンやカードローンの利子、定期預金の利息、というような使われ方をします。
ただし、実際には厳密に使い分けされているということはなく、同じような意味で使われています。
ちなみに、銀行にお金を預けて(銀行預金して)受け取るものを「利息」、ゆうちょ銀行にお金を預けて(郵便貯金して)受け取るものは「利子」と呼ばれています。
金利とは
金利とは、利子・利息を決めるときに使われる計算レートのことをいい、「%」で表示されます。
特に前置きがない場合は1年あたりの金利である「年利」を指しています。
わかりやすく言うと、お金の貸し借りの際に発生する料金を年率に換算したものです。
元本に対する利子・利息の割合を示す言葉と言い換えることもできます。
例えば、元本100万円に対して利息が1万円だったら、利率は1%ということになります。
金利を表す言葉には年利の他に、1カ月単位の「月利」、1日当たりの「日歩(ひぶ)」があります。
特に日歩は、証券会社などでお金を運用する時によく使われる言葉です。
また、金融関係者の間でよく使われるのが、「ベーシスポイント」という用語です。
ベーシスポイント(bp)とは金利の表示単位で、1ベーシスポイント(1bp)=0.01%になります。
会話の中では「ベーシス」と略して使われることもあります。
金利と債券価格の関係
金利の変動は、債券価格の変動要因となります。
金利の上昇
金利が上がれば、債券価格は下落します。
債券ファンドの基準価額も、その影響を受けて下落することになります。
例えば、2%の固定利子のつく2年物の国債(A)が、発行されたとします。
国債(A)に投資すると、1年後には2円の利子が、2年後の満期には、2円の利子と100円の額面の合わせて102円がもらえます。
しかし国債(A)の発行から1年後、金利が上昇したとします。
新たに発行される債券はその時の金利水準で発行されることになりますので、4%の固定利付のつく1年物の国債(B)が額面と同じ100円で発行されたとします。
このとき、2つの債券は満期(償還日)は同じです。
1年後に102円をもらえる国債(A)よりも、104円もらえる国債(B)の方が大きなリターンが得られるので、価格が同じ100円であるならば、国債(B)の方に買い手が殺到するでしょう。
国債(A)を売るには、債券の価格を下げるしかありません。
債券は、最終的に、利子とともに、額面金額の元本が返ってきますから、額面金額よりも安く債券を購入することができれば、それは、利子と同様に投資家にとっての利益になるからです。
したがって、金利が上昇すれば、その金利水準に見合った債券価格に価格を下げて、売却をすることになり、この価格が「時価」として、債券の評価価格にも影響を与えることになります。
金利の下落
反対に、金利が下がれば、債券価格は上昇します。
債券ファンドの基準価額も、その影響を受けて上昇します。
金利が下がれば、利子が多く得られる高金利時の債券は魅力が増します。
すると、額面よりも、多少高いお金を払っても、その債券を買おうとする人があらわれますから、結果として、債券価格は上昇することになるのです。
このように、今後金利が下がっていくと考える局面であれば、債券価格の上昇を狙った投資も可能です。
金利が上がれば、債券価格は下落する
金利が下がれば、債券価格は上昇する