金の魅力
金は古来より、その美しさと不変性により、「世界共通の資産」として扱われてきました。
しかし、金はそれ自体では利息や配当を生み出すことはありません。
にもかかわらず、なぜ投資対象として金が選ばれるのでしょうか。
有事の金
金は、世界的な政情不安や地政学リスクが高まった時、資産の逃避先として好まれる傾向にあります。
現在でも、世界中の中央銀行では、準備資産として多くの金を保有しています。
たとえ国が破綻して、その国の紙幣が紙切れになったとしても、金の価値は失われることはないのです。
希少価値の高さ
金は、そのもの自体に価値がある実物資産であり、価値が0(ゼロ)になることがありません。
金はこれまでに発掘した総量は約17万トン(オリンピック公式プール約3.4杯分)ですが、世界の金の埋蔵量は推定7万トン、可採年数は約30年といわれており、有史以来希少性の高い鉱物となっています。
また、採掘しやすい場所にある金は、すでに採り尽くしてしまっているため、現在では3000メートル以上の深さまで掘らないと、純金が採れなくなっています。
そのため、採掘コストが上昇しており、それに合わせて金の価格も上昇しています。
金投資の種類
純金積立
金投資の入門商品ともいえるものです。
純金積立のメリットは、少額から無理なく積立ができる点です。
一度に購入するのではなく、毎月の積立額を日割りし、毎日少しずつ購入していくので、金の値段が下がった時には多く買い、値段が上がった時には少なく買うことができます(ドルコスト平均法)。
また、金価格が大きく動いた際や、資金に余裕ができた際には、その時だけ買い増しをする、スポット購入をすることも可能です。
毎月コツコツと積立をして、長期保有を前提とした投資方法といえます。
投資信託
投資信託とは、証券会社等が投資家から資金を集め、運用会社がその資金を元手に運用を行う金融商品のことで、証券会社、銀行、保険会社等で購入することが可能です。
組み入れ商品は、運用のプロであるファンドマネージャーが選定してくれるため、専門知識がなくても比較的簡単に投資を始めることができます。
投資信託にかかるコストは、購入時の販売手数料、解約時の信託財産留保額と信託報酬です。
金ETF
金ETFとは、金価格への連動を目指して設計されたETF(上場投資信託)のことをいいます。
金ETFは、すべての証券会社で取引をすることができます。
通常の投資信託は、1日1回値決めされるものですが、ETFは常時価格の変動が反映されていますので、株式と同じようにリアルタイムで売買をすることができます。
また、株式と同じように指値で注文することも可能です。
通常の投資信託と違う点は、投資信託であれば運用をファンドマネージャーに任せることができますが、ETFの場合は株取引と同じで、自分で売買の判断をしなければなりません。
金ETFにかかるコストは、購入・売却時の売買手数料と信託報酬です。
投資信託よりも信託報酬が安く設定されていることが多く、運用コストを抑えられるという点が利点です。
金地金
金地金とは、いわゆる「金の延べ棒」のことで、ゴールドバーとも呼ばれます。
金地金の取扱会社では、様々なサイズのバーが用意されていますので、購入資金に合わせてグラム単位で購入することができます。
ただし、500g未満のバーを購入する際には、バーチャージという金地金の加工手数料が別途掛かってしまいますので、ある程度のまとまった資金がある方向けの投資だと言えます。
また、金地金を手元で保管する際には、紛失・盗難のリスクがありますので、安全のために、金地金の取扱会社の保管サービスを利用するとしたら、保管手数料が掛かることになります。
まとめ
金は「守り」の資産として、一般的には保有資産の10%くらいを持っておくのがよいとされています。
わたし自身は、純金積立を行っています。
長期投資を前提にしていますので、毎日の値動きには一喜一憂はしていません。
投資戦略としては、今後リーマンショック級の経済危機(近い将来、必ず来ると言われています!)が起きたとき、金の値段は跳ね上がることが予想されますので、その時が来たら金を売却し、その資金でバーゲンセール状態の株式を購入しようと考えています。
実際、アメリカで一番大富豪が誕生したのは、1929年の世界大恐慌が起きた時だと言われています。
話が逸れてしまいましたが、金投資と一口に言っても様々な種類があるため、資金量や投資の目的に合わせて、自分に合った投資方法を選びましょう。