くりっく株365とは





くりっく株365とは、東京金融取引所に上場する株価指数証拠金取引(取引所CFD)の愛称です。

2010年に開始した比較的新しいCFD商品で、特定の銘柄の株式の売買ではなく、国内外の株価指数を取引できる仕組みです。

くりっく株365の特徴

世界の株価指数に円建てで投資できる

くりっく株365では、日経平均(日経225)のほか、世界の株価指数も円価格で取引することができるので、自分のポジションの損益額がわかりやすく、海外投資の初心者にも取引しやすい仕組みとなっています。

現在取引が出来る株価指数は、次の4指数です。

日経225

正式名称は日経平均株価といい、日本の株式市場を代表する株価指数です。

日本を代表する225銘柄の平均株価で、日本経済新聞社が算出・公表しています。

NYダウ

正式名称は、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Doe Jones Industrial Average)といい、世界で最も有名な株価指数です。

経済新聞のウォールストリート・ジャーナルを発行しているダウ・ジョーンズ社が、米国を代表する優良企業30銘柄を選び、その株価を元に算出・公表しています。

DAX®

DAX指数(ダックス指数)は、日本語では「ドイツ株価指数」とも呼ばれる、ドイツの総合的な株価指数です。

フランクフルト証券取引所で取引される上場銘柄の中から、特にドイツ企業の優良30銘柄が選ばれ、算出されています。

FTSE100

ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額の上位100社で構成される、イギリスの代表的な株価指数です。

ほぼ24時間取引可能

くりっく株365は、朝8時半からNY市場のクローズ時間の翌朝6時(サマータイムは午前5時)まで取引が可能です。

日本では株式市場が開いていない夜間や、日本の祝日でも取引ができます。

日本の現物株の取引時間は午前9時から午後3時までですが、くりっく株365ならほぼ24時間取引ができますので、会社から帰って自宅でじっくり取引することもできます。

レバレッジをかけられる

くりっく株365では「証拠金」と呼ばれるお金を投資の原資として取扱会社に預け、この証拠金を担保にして、より大きな金額を運用することができるという、「レバレッジ」取引ができます。

これは、FXと同じ仕組みです。

くりっく株365の場合、証拠金の数倍から数十倍の金額を運用することが出来ますので、レバレッジをうまく活用すれば、効率的な投資ができます。

レバレッジを効かせれば、その分リスクもリターンも大きくなりますので、少ない元手で大きな利益を得ることが出来る反面、予想と反対に相場が動いた場合には、大きな損失を被る可能性もあります。

相場の方向性に強い判断がもてない場合には、レバレッジをあまり利かせず、取引金額を抑えるなどのレバレッジの管理も必要となります。

また、差し入れた証拠金以上の損失をなるべく防ぐために、「ロスカット」という強制決済のシステムがあります

売りからも取引可能

くりっく株365は、買いから取引を開始することはもちろん、取引の価格が今後下落すると予想した場合には、売りから取引することも可能です。

買いの場合は配当あり

現物株の場合、権利確定日に株式を保有していれば、配当金をもらうことが出来ます。

これと同じようにくりっく株365も、買いポジションを持っている株価指数の構成銘柄に配当が出た場合、株価指数を基にした配当相当額を受取ることが出来ます。

ドイツのDAXは配当込みの指数であるため、配当は出ません

ただし、売りポジションを持っている場合には、逆に配当相当額を支払うことになります。

くりっく株365では、配当相当額の受払いのほかに、金利相当額の受払いも発生します。

FXにおけるスワップ金利のようなものです。

買いポジションを持つ場合は、金利相当額の支払いが必要となり、売りポジションを持つ場合は、金利相当額を受取ることが出来ます。

買いポジション 売りポジション
金利相当額 支払い 受取り
配当相当額 受取り 支払い

ただし、2016年より日銀のマイナス金利政策が始まったことにより、金利はゼロの状態ですので、現状では金利相当額の受払いについては考える必要はありません。

決済期限がない

一般に取引所に上場されている先物取引では、決済期限があり、期日を迎えれば、損失が出る場合でも自動的に決済されます。

しかし、くりっく株365は取引期限がないので、反対売買をしない限りポジションは毎日自動的に繰り越されます(ロールオーバー)。

ただし、損失が一定の基準を超えた場合にはロスカットが発動されますので、証拠金不足にならないよう十分注意しましょう。

くりっく株365の仕組み

取引は「1枚」単位

くりっく株365の取引単位は1枚、2枚といったように数え、1枚は株価指数×100円で計算します。

仮に日経平均株価が2万3000円なら、その100倍の230万円が最低取引単位となります。

差金決済取引

くりっく株365の決済方法は、現物の受渡し行わずに、売りと買いの差額の授受で決済をする「差金決済取引」です。

買いポジションの場合

買ったときの価格よりも価格が上昇すれば利益に、反対に価格が下落すれば損失が発生します。

売りポジションの場合

売ったときの価格よりも価格が下落すれば利益に、反対に価格が上昇すれば損失が発生します。

くりっく株365のメリット・デメリット

メリット

倒産リスクがない  

現物株の場合は倒産リスクがありますが、くりっく株365では倒産の心配がありません。

仮に取扱会社が破たんするようなことがあっても、金融取に預託された証拠金は原則的に全額保護されます

為替リスクがない

くりっく株365は、価格決定にマーケットメイク方式が採用されており、マーケットメイカーが為替リスクを負って、円価格で投資家に価格を提示しているため、為替レートや為替リスクを気にすることなく取引することができます。

マーケットメイカーとして、大和証券やドイツ証券が参加しています。

レバレッジを大きくかけられる

日経225連動型ETFは、信用取引を利用してもレバレッジは3倍程度ですが、くりっく株365ではレバレッジが数倍から数十倍に設定できます。

もちろん、レバレッジをかけなくても取引は可能なので、例えば日経225が2万3000円のとき、証拠金230万円で買いポジションを1枚建てた場合は、レバレッジ1倍程度で運用することができます。

長期投資が可能

くりっく株365と同じように株価指数を売買できる取引としては「先物取引」や「オプション取引」があります。

これらと決定的に違うのは「限月(げんげつ)」と呼ばれる取引期限がないことです。

そのため、下降トレンドを予測なら売りポジション、上昇トレンドを予測なら買いポジションを長期保有することも可能です。

デメリット

ある程度の資金が必要

最小取引単位が100単位ですので、例えば日経225の株価が2万3000円ならば、レバレッジ1倍では230万円が必要になります。

確定申告が必要

くりっく株365は特定口座に対応していないため、確定申告が必要です。