フィボナッチ・リトレースメント





フィボナッチ・リトレースメントとは、黄金比を使って相場を分析する方法です。

黄金比とは

黄金比とは、1:1.618や0.618:1という比率のことで、人間が最も美しいと感じる比率のことです。

例えば、名刺のサイズやアップル社のロゴマークなどは黄金比が使われています。

また、ひわまりの種の並びや、台風の雲の渦なども黄金比だと言われています。

黄金比はフィボナッチ数列から導かれる

イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチは、木の枝に葉が生えていく過程や、かたつむりの殻の渦の広がり方など、多くの生物の生長パターンが1.618の比率になっているという法則性を発見しました。

1、1、2、3、5、8、13、21、34、55・・・

この数列の規則性に気付くことはできますか?

答えは、隣同士の数を足すとその右の数字になります。

1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8


この数列を「フィボナッチ数列」といいます。

次に、隣同士の数字を割っていきます。

1÷1=1
1÷2=0.5
2÷3=0.666
3÷5=0.6
5÷8=0.625


これを続けていくと、だんだんと0.618という黄金比の数字に近づいていきます。

この数字を使ったチャート分析の方法がフィボナッチ・リトレースメントです。

フィボナッチ・リトレースメント

相場というものは、人間の思惑や感情が作り出したものだと考えれば、そこに人間が無意識に美しいと感じる比率が表れることは不思議ではないかもしれません。

そこで、フィボナッチを使って、相場の高値と安値の値幅から目標価格を推測する方法がフィボナッチ・リトレースメントです。

「リトレースメント」とは「戻り」のことで、相場が反転した時にどのくらいの価格まで戻るかの目安を計算することができます。

短期でも長期でも使え、特に海外のトレーダーがよく使う指標と言われています。

高値から安値を引き、その変動幅の38.2%、50%、61.8%が押し目買い、戻り売りを狙うポイントとなります。

トレンドの勢いが強い相場では38.2%、勢いが弱い相場では61.8%や半値戻しの50%が目安として使われることが多いです。

ドル円日足の実際のチャートを見てみても、多少の誤差はありますが、フィボナッチ・リトレースメントで計算される価格帯が重要な節目として意識されていることがわかります。