日本銀行の役割





日本銀行は、日本の中央銀行として、さまざまな役割を担っています。

また、日本銀行法に基づいて設立された認可法人で、政府とは独立した機関です。

日本銀行の3つの役割

日本銀行法によると、日本銀行の目的について『我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと』、『銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること』と規定されています。

発券銀行(紙幣の発行)

紙幣を発行できるのは日本銀行だけであり、日本の紙幣には「日本銀行券」と印刷してあります。

現在日本では、千円札、二千円札、五千円札、一万円札の4種類の紙幣が発行されています。

日本銀行から市場に渡った紙幣は、多くの人々の手に渡り、最終的にまた日本銀行へと戻ってきます。

戻ってきた紙幣は、品質に問題が無いか、偽物ではないかなどをチェックする「鑑査」という工程が行われます。

この鑑査には「銀行券自動鑑査機」という機械が使われており、1分間に1,800枚を識別・鑑定することができるそうです。

痛んでいるため取り除かれた紙幣は、シュレッダーで1㎜まで小さく裁断された後、リサイクル業者の手に渡り、トイレットペーパーや事務用品などの日用品にリサイクルされています。

日本銀行は、このように古くなった紙幣を銀行経由で回収したり、紙幣の必要量を計算して新しい紙幣を発行しています。

ちなみに硬貨は、正しくは「補助貨幣」といい、日本政府(財務省)が直接発行しています。

現在、日本では、記念硬貨を除くと、500円、100円、50円、10円、5円、1円の6種類の補助貨幣が発行されています。

銀行の銀行

わたしたち個人や一般の企業が、日本銀行に直接お金を預けたり、借りたりすることはできません。

日本銀行に口座を持つことができるのは、政府や民間の銀行(市中銀行)だけです。

そのため、日本銀行は「銀行の銀行」と呼ばれているのです。

市中銀行は、日本銀行に当座預金口座を開設しており、この口座を「日本銀行当座預金」といいます。

この日本銀行当座預金を通じて、預金の受け入れや貸し付けをしたり、「日銀ネット」と呼ばれるシステムを使って、金融機関同士の決済などが行われます。

また、預金の取り付け騒ぎなどが起きて、預金者が銀行にお金の引出しに殺到して、銀行のお金が足りなくなったとき、まずは他の市中銀行からお金を借りることになります。

それでもお金が足りないときは、日本銀行がお金を貸し付けることになります。

このことから、日本銀行は「最後の貸し手」とも言われます。

政府の銀行

日本銀行には政府の預金口座があり、この口座に税金や社会保険料などを受入れ、年金や公共事業費などはこの口座から支払いが行われます。

このように、日本銀行では、国のお金(国庫金)の受払や計理を行っています。

そのため、「政府の銀行」とも呼ばれているのです。

そのほかに、国債の発行(引受けは原則行わない)などの業務も行っています。

日本銀行の3つの役割まとめ

●発券銀行・・・紙幣(日本銀行券)を発行する

●銀行の銀行・・・市中銀行のお金を預かる

●政府の銀行・・・政府のお金を管理する