王子様を待たないで。お寿司も指輪も自分で買おう。
漫画家・西原理恵子さんの著書『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』の中のフレーズです。
本屋で帯に書かれてあるこの言葉に惹かれ、この本を手に取りました。
私が大学生の時、就職先に銀行を選んだのは、「安定しているから」ということよりも、「給料がいい」という理由からでした。
実際、正社員で働く大手の銀行員は、世間一般のOLさんよりも遥かに高給です。
職種や営業成績などによっても異なりますが、30代になると大体年収は1,000万円を超えます(いわゆる総合職の場合)。
そんな環境にいた私は、『お金持ちと結婚して、専業主婦になって優雅に暮らしたいな♥』なんてことを夢見る周りの女の子を、少し冷めた目で見ていました。
『王子様を待ってるより、自分が稼げるようになった方が早いんじゃないかな。』
と思っていたからです。
夫は外で働いて、妻は家庭を守るもの?
昔から使い古された言葉ですが、とっても違和感を感じます(専業主婦を否定している訳ではありません)。
内閣府が実施した『男女共同参画社会に関する世論調査(平成28年度)』によると「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えについて、「賛成」とする割合が40.6%(「賛成」8.8%+「どちらかといえば賛成」31.7%)で、「反対」とする割合が54.3%(「どちらかといえば反対」34.8%+「反対」19.5%)となっています。
つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しません。
もし旦那さんのお給料だけをあてにして生活をしてた夫婦が、仮に旦那さんが働けなくなったらどうなるのでしょう。
不幸にも病気になったり、会社が倒産したり、リストラに遭ったりという可能性は十分にあります。
誰もがよく知る有名メーカーが倒産寸前になったり、自分とは関係のないところでトップが粉飾決算をしていて、末端の社員が立ち行かなくなるなんてご時世です。
女性であっても「稼げる力」は必要
これは、私と同じ銀行の同じ支店に配属された、同期入社の友人のお話です。
彼女は入社後すぐに、同じ支店の先輩社員と交際を始め、彼の地方への転勤を機に結婚をし、会社を退職して彼に着いて行きました。
高給取りの銀行員と結婚すれば、専業主婦として安泰だろうと誰もが思うでしょう。
しかし、結婚後に優しかった彼の態度は一変したそうです。
さらに、彼は慣れない地方での仕事が嫌になって、簡単に会社を辞めてしまったのです。
その後、二人の間に子供が生まれましたが、ほどなくして二人は離婚という選択をしました。
私の友人は実家に戻り、幼い子供を育てなければなりませんが、働き口もなかなかなかったそうです。
そんな彼女が選んだ道が、再婚でした。
『好きでもない相手だけど、今は彼の給料で子供も養ってもらってるし、幸せだよ。』
と力なく言っていましたが、無理に自分を納得させようと言い聞かせているように見えました。
本当にもったいないなぁ、と思います。
大事なのは、自分の幸せを人任せにしないこと。そのためには、ちゃんと自分で稼げるようになること。
彼女が選んだ道でなので、反対はしませんでした。
ただ、人生の選択肢を増やすためには、誰かに頼って生きるのではなく、自分の力で生きていく力=「稼げる力」は女性にも必要だと思います。
結婚か、仕事だったら、どっちもとってください。
今はまだむずかしい社会だけど、どっちか諦めなきゃいけないなんて、おかしい。
子育てか、仕事かでも、どっちもとりましょうよ。
笑いあり、涙ありのおすすめのエッセイです。