為替相場は、通貨の交換価値を表すもので、物価や金利と密接に関係しています。
為替の変動が金利に影響したり、逆に、金利の変動が為替相場に影響したりします。
為替相場が要因で金利が動くケース
何らかの要因で円高になったとします。
円高とは円の価値が高くなることなので、外国製品が安く買えるようになります。
その結果、海外からの石油、食料品、原材料などの輸入品が安く買えることになり、日本国内の物価が下落します。
物価が下落すると、デフレを防止するために、日本銀行は金利を引き下げるという金融緩和政策を行います。
このように、円高は物価下落を通じて、金利低下要因となります。
反対に、円安になると、輸入品の価格が高くなり、日本国内の物価が上昇します。
物価の上昇が強くなり、インフレの傾向が出てくると、物価の上昇を押さえるために、日本銀行は金利を引き上げるという金融引き締め政策をとります。
このように、円安は物価上昇を通じて、金利上昇要因となります。
金利変動が要因で為替が動くケース
アメリカの金利が上がったときに、日本の金利が動いていなければ、日本とアメリカの金利差が拡大します。
これを「日米金利差」といい、この場合、日本の低金利の金融商品に投資をするよりも、高金利のアメリカの金融商品に投資をした方が有利になります。
お金は、常に有利な投資先・運用先を探して移動しますので、金利差が拡大すると、円をドルに換えてアメリカの金融商品を買おうとする円売り・ドル買いが起こり、ドル高・円安になります。
反対に、アメリカの金利が下がったときに、日本の金利が動いていなければ、日本とアメリカの金利差は縮小します。
この場合、金利的な魅力を失ったアメリカの金融商品に投資を行うよりも、日本の金融商品に投資をした方が有利になり、ドルを円に替えて日本の金融商品を買おうと、円買い・ドル売りが起こり、円高・ドル安が進みます。
つまり、金利が高い国は自国通貨高となり、金利が低い国は自国通貨安となります。