投資信託は、他の金融商品と比べると、バラエティー富んだ商品のラインナップがあります。
たくさんありすぎて、どれを選んだらいいかわからないという方のために、投資信託について詳しく解説します。
目次
投資信託とは
投資信託とは、たくさんの投資家から集めた資金を一つにまとめて、投資の専門家(ファンドマネージャー)が、国内外の株式や債券などに分散投資を行い、その運用成果を投資家に分配する金融商品のことです。
投資信託の分類
形態
契約型投資信託
運用会社と信託銀行が信託契約を結ぶことにより組成される投資信託です。
日本で販売されている一般的な投資信託のタイプで、投資家がお金を貸し出す代わりに、投信委託会社などから受益証券を受け取るものです。
会社型投資信託
投資を目的とする法人(投資法人)を設立することによって組成される投資信託です。
アメリカで販売されている一般的な投資信託のタイプで、日本では1998年12月から解禁になりました。
まず投資会社が設立され、投資家はこの投資を目的とする株式会社に出資し、株券を受け取って株主になります。
投資家は運用して得た利益を、配当金として受け取ります。
代表的なもの、はJ-REIT(不動産投資法人)があります。
購入できる時期
単位型(ユニット型)
購入は運用が開始される前の募集期間だけに限られ、運用が開始されてからは追加購入ができません。
通常、募集期間は1ヶ月程度です。
信託期間(満期)が定められており、3年から5年程度のものが一般的です。
定期的に募集される商品(定時定形型投資信託 )と、投資家のニーズに合わせて単発的に募集される商品(スポット型投資信託)があります。
追加型(オープン型)
原則的に、投資信託が運用されている期間中いつでも購入できます。
価格変動を見ながら自分のタイミングで購入ができるので、株式投資に近い感覚と言えます。
信託期間(満期)が定められていないか、定められていても一般的に10年以上など長期のものがほとんどです。
募集対象は誰か
公募
幅広い投資家を募集対象とします。
私募
金融機関などの特定の投資家や、ごく少数の投資家に販売することを目的とします。
換金(解約)できるか
オープンエンド型
原則、運用期間中も解約できます。
クローズドエンド型
運用期間満了(または一定期間経過)まで換金できません。
株式が組み入れられるか
公社債投資信託
約款に「株式には投資しない」旨が記載されており、株式を一切組み入れない投資信託です。
後述の、MMFやMRFは公社債投資信託に分類されます。
主に安定運用を目指すものが中心で、国債や社債など、元金や利払いが確定している公社債を中心に運用するものが多く、安全性の高さが特徴です。(元本保証はありません)
株式投資信託
約款に「株式に投資することができる」旨の記載があり、株式を組み入れることのできる投資信託です。
たとえわずかでも株式を組み入れている投資信託は、株式投資信託に分類されます。
「国内株式型」、「国際株式型」のほか、公社債などを組み合わせた「バランス型」など、さまざまなタイプがあります。
また、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指標(インデックス)に連動する運用成果を目指す「インデックス型(パッシブ型)」と、市場平均を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」に分類されます。
その他の投資信託
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
株式、債券、投資信託などの購入・代金の受け払いなどを目的とした証券総合口座用の投資信託で、証券会社の「普通預金」のような使い方をされています。
投資信託なので、元本保証はされていませんが、元本割れをしたことは一度もない商品です。
しかし、平成 28 年 2 月に日本銀行によるマイナス金利政策導入後に、新規の取扱いを中止した証券会社もあります。
MMF(マネー・マネジメント・ファンド)※取扱い終了
国内外の公社債やCP(コマーシャルペーパー)やCD(譲渡性預金)などの金融商品を中心に運用する投資信託として、高い人気がありましたが、マイナス金利政策の導入により運用難となり、取扱いが終了となっています。
上場投資信託(ETF)
「株式指数連動型上場投資信託」が正式名称で、株式市場全体の動きを表す日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動することを目指すインデックスファンドです。
ETFは、通常の株式と同様に証券取引所に上場されており、取引所が開いている時間中、売り買いの希望条件さえあえばいつでも売買が可能です。
株式の配当金と同様に、投資信託の決算に基づき、収益分配金を受け取ることができます。
また、売買手数料も安いので短期売買にも向いています。
不動産投資信託(REIT)
不動産を運用対象とした投資信託のことです。
投資家から集めたお金で複数のビルやショッピングモール、マンションなどに投資するためのファンドを設立し、得られた賃貸収入・売却益を投資家に分配します。
日本ではJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれ、株式と同様に証券取引所で売買されています。
2001年3月に東京証券取引所において、不動産投資信託証券市場が開場し、取引されています。
ファンド・オブ・ファンズ
複数の投資信託を運用対象としている「外部委託型投資信託」のことです。
ファンドオブファンズは、もともとそれぞれの運用方針に基づき分散投資されている投資信託に投資することで、投資対象や運用会社がさらに分散されて、リスクを抑える効果が期待できます。
確定拠出年金の運用対象としても注目されています。
投資信託協会が定める商品分類
単位型・追加型 | 投資対象地域 | 投資対象資産 (収益の源泉) |
独立区分 | 補足区分 |
単位型 追加型 |
国内 海外 内外 |
株式 債券 不動産投信 その他資産 資産複合 |
MMF MRF ETF |
インデックス型 特殊型 |
出典:一般社団法人投資信託協会「商品分類に関する指針」
投資信託のメリット・デメリット
メリット
少額から始められる
株式投資と違って少額から投資が始められ、100円から投資が可能な証券会社もあります。
プロに運用を任せられる
投資信託は、運用の専門家であるファンドマネージャーが、投資判断から取引までを投資家に代わって行ってくれます。
投資家は、定期的に発行されるレポートにて運用状況が把握できます。
分散投資ができる
1つの銘柄だけに投資していた場合、企業倒産や株価が値下がりすると、そこでの影響をそのままに受けてしまい大きな損失を負う可能性があります。
そこで、投資信託によって複数の銘柄に資金を分けて投資をすることで値下がりなどの様々なリスクを、分散、軽減することができます。
デメリット
元本保証がない
投資信託には元本保証がなく、購入額よりも売却額が下回る可能性もあります
コストがかかる
投資信託は運用の専門家に任せて投資を行う分、「販売買付手数料」、「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」、「信託財産留保額」ような手数料がかかります。