株とは、正式には「株式」といいます。
株式は、企業が経済活動を行うためにはなくてはならないものです。
目次
株式の仕組み
株式とは、企業が事業に必要な資金を集めるために発行しているものです。
企業は、投資家が株式を買ってくれた資金を元手に、新しいサービスを始めたり、事業拡大をすることで、会社を大きくしていくことができます。
株式を買うということは、その企業に出資し、事業資金を提供するということであり、実質的に会社のオーナーの1人になることを意味します。
このように、株式を発行して、それを元に活動し、利益をあげることを目的とした企業を「株式会社」といい、株式会社への出資者は「株主」と呼ばれます。
株主が株式会社へ出資した資金は、会社が存続する限り払戻されず、株主が株式を換金しようとするときは、株式市場で売却することになります。
株主の権利
株主は、その企業に出資した金額に応じた権利を持ち、この権利のことを「株主権」といいます。
株主権は、主に3つあります。
会社の経営に参加する権利(経営参加権)
株主は、会社のオーナーの1人ですので、会社の意思決定の最高機関である株主総会に出席して、決議に参加する(議決権を行使する)ことで、間接的に会社の経営に参加することができます。
株主総会における決議は多数決によって行われますが、その投票数は、基本的に所有している株数に比例します。
したがって、より多くの株式を持つ株主ほど会社の経営に大きな影響力を持つことになります。
株主になれば株主総会に出席して社長に直接質問ができたり、最近は食事が提供されたり、お土産がもらえたりする会社もあります。
利益の分配を受け取る権利(配当請求権)
株主は持ち株数に応じて「配当金」や「優待」といった配当の形で、会社が挙げた利益の分配を受け取ることができます。
この配当は、会社の業績によって決まりますので、業績がよければ配当は増えますし、逆に悪ければ、配当が減らされる、または出ない場合もあります。
会社が解散した場合、残った資産の分配を受け取る権利(残余財産分配請求権)
会社が解散する際に、会社が借金を返済して、なお財産が残る場合には、株主はその持ち株数に応じて残った財産の分配を受け取ることができます。
●経営参加権・・・株主総会に出席して、議決権を行使する権利
●配当請求権・・・会社の業績に応じた配当を受け取る権利
●残余財産分配請求権・・・会社解散時に残った財産の分配を受け取る権利
株主の責任
株主は、株式会社に出資した金額の範囲内でのみ責任を負います。
これを、「株主有限責任の原則」といい、出資した金額全額が返ってこないことはあっても、その範囲を超えて会社の債務の返済義務を負うようなことはありません。