投資詐欺(詐欺的な投資勧誘)の被害が後を絶ちません。
有名芸能人や、大企業の社長でさえも騙されたというニュースもありました。
わたしが銀行で窓口業務を行っていた時のお客さまの中でも、残念ながら投資詐欺に遭い、多額の現金を騙し取られた方がいらっしゃいました。
老後のために何十年もかけて、コツコツ貯めてきた大切なお金を、詐欺によって一瞬で奪い取られ、途方に暮れる方を何人も見てきました。
その方たちが口を揃えていうのが「自分だけは騙されないと思っていた」でした。
誰にとっても他人事ではありません。実際に身近で起きていることです。
目次
投資詐欺の手口
投資詐欺を勧誘する側は「いかにも」な感じを出しません。親切な顔を装って近付いてきます。
未公開株詐欺
未公開株詐欺とは、株式上場していない会社の株式を「上場間近である。上場すれば株価は確実に○倍になる」と言って購入させる手口です。
実際には上場の予定はなく(発行会社自体が架空の場合もある)、投資したお金は却って来ず、業者とも連絡が取れなくなります。
未公開株の販売等を行うことが出来るのは、当該未公開株の発行会社や、登録を受けた証券会社に限られますが、詐欺師は「発行会社との強いコネで手に入れた」「あなただけ特別」などと巧みに勧誘を行います。
未公開会社が、広く一般の個人投資家にまで声をかけて募集することはほぼありません。
このような儲け話があったら、まず詐欺であることを疑いましょう。
外国通貨詐欺
アフガニスタンの通貨(アフガニ)や、ウズベキスタンの通貨(スム)などの、聞いたこともないようなマイナーな通貨を、「自分の代わりに買ってくれたら、数倍の金額で買い取る」と言ったり、「今買っておけば、○倍に値上がりする」などと言って購入させる手口です。
実際にはそのマイナー通貨の価値は、購入した金額よりも著しく低く、日本国内では換金が困難な通貨で、買い取ると言っていた業者が換金に応じなかったり、連絡が取れなくなります。
親しみのない新興国の通貨を購入すること自体がリスクが高いですし、マイナー通貨は実際の貨幣価値がわかりにくいという点を突いた詐欺の手口です。
仮想通貨絡み
ここ数年、市場の盛り上がりとともに急増しているのが仮想通貨絡みの詐欺です。
テレビでも『ビットコイン爆上げ』のニュースが取り上げられるようになり、「よくわからないけど仮想通貨って儲かるんだ」と思っている投資初心者を狙った詐欺です。
「セミナーで勧誘している」「最低購入価格がある」「価格保証がある」「必ず配当が出る」などの仮想通貨は詐欺である可能性が高いので注意しましょう。
参考:知人からの勧誘、セミナーでの勧誘による仮想通貨の購入トラブルにご注意-「必ず儲(もう)かる」という言葉は信じないで!|独立行政法人国民生活センター
気を付けるべきポイント
業者を確認する
勧誘してきた業者が実在するのか、また信頼に値する業者かをきちんと確認しましょう。
日本証券業協会:協会員
また、実在する証券会社・銀行や、公的機関(金融庁、日本証券業協会など)の職員を装って近付いてくるという手口もあります。
怪しいと思ったら、担当者から受け取った名刺に書かれた電話番号ではなく、ホームページなどで会社の連絡先を調べて問い合わせてみましょう。
「必ず儲かる」などと断定的な勧誘をする
しっかりとした業者であれば、「必ず儲かる」「絶対値上がりする」「毎月確実に○%の配当が出る」などの、断定的な表現を使って勧誘を行うことは禁止されています。
「元本保証(リスクがゼロ)で、高いリターンを確実に得られる」という夢のような金融商品は存在しません。
高いリターンがあるのなら、それなりのリスクがあるものです。
そもそも、まだ運用をしていない時点で、将来にわたって高い利回りや配当を約束することなんて不可能なのです。
そのような勧誘をしてきた時点で、怪しいと思って間違いないです。
決断を急がせる
決断を急がせるのも詐欺の手口です。
「この案件に投資できるのは、今だけです!」「先着○名限り」などと言って、考える隙を与えさせません。
相談窓口
もしも、運悪く投資詐欺の被害に遭ってしまったら、泣き寝入りする前に、以下の相談窓口に相談してください。
まとめ
うまい話には裏があるものです。
しかし詐欺師たちもプロなので、あの手この手を使って巧みに信じ込ませてきます。
少しでも「怪しい」と思ったら、自分一人で判断せず、周囲の人に相談してください。
冷静になって考えれば「胡散臭い話だな」と気付くことができます。